「ウィザーズ・アリス」(Wizards Alice) は、現代のフォーク音楽界においても高い評価を受けている名曲です。この曲は、イギリスのフォークロックバンドである Steeleye Span が1970年にリリースしたアルバム “Please to See the King” に収録されています。中世を舞台とした壮大なファンタジーの世界観と、どこか切ないメロディーが織りなすこの楽曲は、聴く者を魔法に誘う力を持っています。
Steeleye Span: フォークロックのパイオニア
Steeleye Span は 1960年代後半に結成されたイギリスのフォークロックバンドです。彼らの音楽は、伝統的な英国民謡をベースにしながらも、ロックやプログレッシブ・ロックの影響を取り入れた革新的なサウンドが特徴でした。
オリジナルメンバーには、ボーカル兼ギターのティム・ドラード、ボーカル兼ドラムのマーティン・ハケット、ボーカル兼バンジョーのテリー・ジョンソン、そしてボーカル兼ベースのボブ・ジョンソンなどがいました。彼らは、イギリスの伝統音楽を現代風にアレンジすることで、フォークミュージックに新たな可能性を切り開きました。
「ウィザーズ・アリス」の物語: 中世の魔法と愛
「ウィザーズ・アリス」は、中世の魔法使いと少女、そして彼らを取り巻く切ない愛の物語を描いています。歌詞には、森の奥深くで暮らす魔法使い、アリスという名の美しい少女、そして彼らの運命を左右する愛憎劇が描かれています。
この曲は、中世の雰囲気を濃厚に漂わせるメロディーと、詩的な歌詞が魅力的です。特に、魔法使いの視点から歌われた「アリスは私の心を盗んでいった」という歌詞は、切ない愛の表現として非常に印象的です。
楽曲の構造と演奏
「ウィザーズ・アリス」は、伝統的なフォークミュージックの要素を取り入れた構成となっています。曲の始まりは、アコースティックギターとバンジョーによる静かなイントロで、その後、フルートやバイオリンなどが加わり、壮大なスケールへと展開していきます。
ボーカルは、ティム・ドラードの力強い歌声によって表現されており、彼の歌い方が楽曲の世界観をより一層引き立てています。また、曲の後半では、激しいギターソロやドラムが加わって、クライマックスを迎えます。
「ウィザーズ・アリス」の遺産:
「ウィザーズ・アリス」は、Steeleye Span の代表曲として広く知られており、フォークミュージックの歴史に大きな影響を与えました。この曲は、現代の多くのアーティストにもカバーされており、その魅力は時代を超えて受け継がれています。
Steeleye Span Discography:
アルバム名 | 発売年 | 備考 |
---|---|---|
Hark! The Village Waits | 1970 | デビューアルバム |
Please to See the King | 1971 | 「ウィザーズ・アリス」収録 |
Ten Man Mop, or Mr. Reservoir’s Song | 1971 |
「ウィザーズ・アリス」を聴く上でのポイント:
- 中世のファンタジーの世界観に浸り、歌詞の意味を読み解いてみましょう。
- ティム・ドラードの歌声の力強さと感情表現に注目してみましょう。
- 伝統的なフォーク楽器の音色と、ロックの影響を受けたアレンジを楽しみましょう。
「ウィザーズ・アリス」は、フォークミュージックの新たな可能性を示した、まさに名曲と言えるでしょう。中世のファンタジーの世界観と切ないメロディーが織りなすこの楽曲を、ぜひ一度聴いてみてください。